京都芸術センター フリースペース(京都府 京都市) のチケット情報

作品概要

EXHIBITION, PERFORMANCE｜OKINAWA, JAPAN｜世界初演

現実とフィクションが交錯し、濃密なイメージが去来する
ヒューマンビートボックスの振動をトリガーに
Dense imagery comes and goes, intermixing fact and fiction, triggered by the vibrations of a human beatbox
　

山城知佳子は、時に自身も被写体として写真や映像のフレームに入りこみながら、出身地である沖縄を主題とした作品を発表している。その制作プロセスにとって、「身体」は欠くべからざる存在だ。たとえば過酷な戦争体験の証言を聞き、絶対的な理解しえなさに立ちすくんだ時、山城は証言者の声を自ら繰り返し模倣した。取り憑かれてしまいかねない危うさを覚悟しながら。他者の声を身体の内に容れるという、身体を用いた他者への接近。 鳥が落とした糞の中にまぎれていた種子が大地に横たわる人々を覚醒させる——神話めいた力を感じさせるシーンで始まる3画面映像インスタレーション『土の人』は、沖縄と、その歴史において沖縄と相似した経験を持つ韓国の済州島で撮影された。現実の容易ならざる状況と詩的なフィクションが画面の中で交錯する。ヒューマンビートボックスが銃撃音に読み替えられ、戦争のヴィジョンが身体へと引き寄せられてくる。かつて／これからの戦争への想像力が起動する。 会期中には、『土の人』から発展したライブパフォーマンスが行われる。肌を震わせる音、声、映像。あらゆる要素が分かちがたく混交し、身体はまた新しい想像力の旅を経験することになるだろう。

KYOTO EXPERIMENT 2018